森の入り口

このトイレは、トイレでありながら人々が集まれる場になるように設計した。人々が集まる場と一緒にする事により、多くの人が抱く公衆トイレのイメージにある暗く汚い閉鎖的なイメージから脱却できると考えた。それぞれのトイレを分節させ、角度をつけ、周りにデッキを設け大屋根を架けることによりトイレとしてはひと塊だが、屋根の下に場ができ人が集まれる。デッキ階段を全周回し、ベンチを設置することにより広場や遊歩道に行く前の準備や休憩、トイレ前広場を利用した催し物の観覧席としても使用できる。トイレ周りはデッキにより回遊性が生まれ、トイレ出入口を2箇所設け行き止まりをなくしたことにより安全性も向上し、閉鎖感も無くなった。トイレ内は、壁天井を木貼りにして大きなハイサイド窓から光を取り入れ明るくなるようにした。遊歩道入り口のゲートとしての役割を持たせ、森に向かう高揚感、森から戻ってくる回帰感も演出してくれる。

くまもとアートポリスプロジェクト 立田山憩の森・お祭り広場公衆トイレ
想定敷地:熊本県
主用途 :公衆トイレ
期間  :2020年6月